広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送(土曜日 深夜再放送中)

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2019.09.29 O.A.

限りない真円の追求 社員の成長は会社の成長

株式会社シギヤ精機製作所
追求するのは限りない真円

回転する主軸と、金属を削る砥石が、真円を削り出す[円筒研削盤]。
自動車、飛行機、建設機械、家電といった高精度の金属部品を加工する機械、人の暮らしに欠かせない技術です。

この技術で業界ナンバーワンを目指す企業、それが福山市にある、株式会社シギヤ精機製作所。本社を中心に、アメリカ・タイ・中国・韓国・台湾に拠点を持つグローバル企業です。

毎週月曜日の朝は、工場巡回から始まります。
「良い環境で働けることによって良い製品作りが出来る。
 たくさんの良い製品によって、たくさんのお客様に喜ばれる、そんな企業になる。」
鴫谷社長はそう語ります。

社員の総合力で変わる商品力や企業力

1911年に織機(しょっき)を製造する企業としてスタートしたシギヤ精機製作所。
1958年に工作機械製造に全面転換し、以来、円筒研削盤の企業として進歩。
創業以来、100年以上積み上げられた技術が会社を支えてきました。

シギヤ精機の製品は、オーダーメイド。
ユーザー要望に応えるべく、設計をしています。
追求をしているのは設計担当者だけではありません。
扱いやすい機械にするべく、組立担当者と設計担当者が検討を繰り返すのです。
「組立しやすいものか、メンテナンスがしやすいか、
 お互いに提案し、コミュニケーションをとっている。」
「ものづくりは設計・組立・作動から精度が出るまでたくさんの人が関わっている。自分の目で確かめることは、ひとつひとつの要素のレベルをアップするには必要。」
組立担当者と設計担当者はそう語ります。
こうした活動で、完成度の高い工作機械が作られていくのです。
「総合力で商品力や企業力が変わる。社員全員の成長で会社が成長する」
鴫谷社長はそう語ります。

共有意識を培う社員研修

シギヤ精機の新入社員は、設計、製造、販売といった、さまざまな現場の研修を経て配属となります。研修期間は、なんと9ヶ月。長期間の研修が、社員の共有意識を培うのです。
総務課に勤務する藤原さんには、その実感がありました。
「採用業務で工場案内をする。自分が知らないことは語れない。
 その時に研修してもらった人に助けてもらったりする。
 どこの部署に行っても、すぐ話しかけられるようなつながりには助けられている。」
研修期間が終わり、配属された後は、各部署で先輩社員が指導。
また毎日、技術部では、昼休みが終わるとショートミーティングを行い、仕事の進捗、抱えている課題を相談できるようにしています。

技術の伝承

工作機械の土台は、平坦でないと1/1000ミリの加工精度を出すことが出来ません。わずかな凹凸が、円筒研削盤のスライド動作に大きく影響するのです。
精度を保つために表面を整えるのが[キサゲ作業]です。機械加工では1/100ミリ単位でしか削り取れない凹凸を、熟練者は1/1000ミリ単位で削り落とします。
熟練に10年を要すると言われる技術を若手社員に伝承するべく、教育が続いています。
100年企業、シギヤ精機は、「研削加工技術のグローバル No.1 企業」を目指し、新たな100年に向かいます。

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円筒研削盤を製造するシギヤ精機製作所。
ポイントは「これからのものづくり」

 会社に伺うと庭には線路が……。これは人が乗れるミニチュア機関車が走るためのもの。会社に入ると機関車の模型がお出迎え。なんとも楽しい会社。手作りの機関車は相談役が趣味で作ったものとのことで、自社ではお客様、福山市のお祭りでは実際に子供を乗せて走らせるそうだ。
 創業から100年を超える工作機械メーカーの工場は美しい。現場は部品製造から組み立てまで整った中で社員が働く。
 シギヤ精機の研削盤から作られる代表的な加工品は高精度なスピンドル(軸)。その軸を高精度に作っていくためには、工作機械も高精度でなくてはならない。そしてそれを継承していくこと。私が工場を視察した時も新入社員がいくつか職場に分かれて機械加工の研修をしていた。地道であるが、自社製品が作る工程とその技を全社員が共有していないと工作機械の高精度は保つことが出来ない。
 工作機械が良くてもそのユーザーへのサービスが充実していないと、モノづくりはうまく回らない。より使いやすいデザイン、操作、そして故障を防ぐ機能がより注目される。これからのものづくりは精度の高い機械をいかに簡単に使いこなせるか。そのためにエンジニアは機械だけでなく使い方を知り、お客様に対して機械を自由自在に使うための処置、生産性を高める提案がより重要となっている。
 今はメカトロからIT技術をいかに駆使するか、変わりつつある。これからのものづくりは良い機械とITを使いこなすメーカーとユーザーが一体となって維持し解決していくことがより重要になる。働き方改革をしていかなくてならない日本は、創造へ時間を使うためにこれからのものづくりを考えていきたい。
 鴫谷社長との話の中でIT化の取り組みはもちろん進んでいる。先進のテクノロジーをこれからのものづくりにもっと応用していく。そのためには若い力が必要とのことだった。エンジニアはものづくりの面白さ、やりがいを求め挑戦していくことを願ってやまない。
企業情報
会社名

株式会社シギヤ精機製作所

業種製造業
事業内容金属工作機械製造業
CNC円筒研削盤、CNC万能研削盤、CNCクランクピン研削盤、
CNCマスタレスカム研削盤、CNCセンタレス円筒研削盤及び専用機

工作機械の改造修理業
レトロフィット、オーバーホール

眼科眼鏡機器(GS事業部)
眼科眼鏡機器の販売
代表者代表取締役社長 鴫谷 憲和
所在地広島県福山市箕島町5378番地
お問い合わせ 084-954-2961
ホームページhttp://www.shigiya.co.jp