広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2026.01.17 O.A.

三菱重工グループの実験室

MHIソリューションテクノロジーズ株式会社
三菱重工グループを支える「実験・解析」の専門集団

 宇宙へと打ち上げられるロケット開発をはじめ、発電プラントや大型タンカーの製造など、多岐にわたる事業を展開する三菱重工グループ。256社からなるこの巨大グループの中で、企画・計画を担う総合研究所とともに技術基盤を支えているのが、実験・解析を専門とするMHIソリューションテクノロジーズである。
 同社は1962年に広島で創業し、現在は広島市や三原市を含む全国7拠点で事業を展開している。2018年には、本社機能を創業地の広島市から兵庫県高砂市へ移転した。広島には実験・解析や調査を行う環境技術グループとシステム技術グループがあり、世界初の技術実験に挑戦できる点が大きな魅力となっている。

新交通システムを支える技術と若手育成

 広島技術部が携わった案件の一つに、広島市内を走るアストラムラインがある。車両製造を三菱重工業が担当し、その点検支援システムの開発をMHIソリューションテクノロジーズが担った。点検手順を運転パネルに表示し、補器操作を簡便化することで、誰が作業しても同じ品質で試験が進む仕組みを実現した。
 新交通システムの研究開発は今も進化が求められており、若手社員もその一翼を担っている。新車両の設計に携わる若手は、車両が適切に動作するかを確認するシミュレーターの開発を担当し、先輩社員の指導を受けながら日々成長している。これは、3年間をかけて若手の力を伸ばす育成プログラムの一環であり、相談しやすい環境づくりが若手の自信と技術力を育んでいる。

脱炭素社会に向けた調査・研究の最前線

 火力発電分野では、ボイラー燃焼時に発生する排ガスの調査を担当する社員が、全国各地や海外の発電所で有害物質やCO₂排出量の測定を行っている。脱炭素技術が求められる中、ベテラン社員が若手を導き、新技術に挑む体制が整えられている。
 また、研究者としての道からものづくりの現場へ飛び込んだ若手博士は、化学工学の知見を活かし、加水分解による廃棄物の有効利用など、カーボンニュートラルに貢献する研究に取り組んでいる。可燃ごみを焼却するだけではCO₂が排出されるだけだが、メタン発酵によりエネルギー資源へ転換できるなど、環境負荷低減に向けた新たな価値創出が進んでいる。

総合研究所との連携が生む相乗効果

 MHIソリューションテクノロジーズは、「三菱重工グループの実験室」と位置付けられている。グループが手掛ける500以上の製品について、実験や解析を繰り返し検証し、総合研究所が生み出したアイデアを確かな技術として形にしていく存在である。
 総合研究所との密接な連携も強みの一つである。同じ敷地内で協働することで、業務の質が向上し、研究開発をより効果的に進めることができる。全国7拠点においても風通しの良い環境づくりが進められ、人間力と技術力の双方を高める企業文化が根付いている。
 社員が意見を述べやすく、誰かが必ず耳を傾けてくれる社風は、挑戦を後押しする力となっている。現場で培われる知見やノウハウこそが同社の強みであり、三菱重工グループの実験室として、新たな価値を生み出すための実験・調査・研究が今日も続けられている。

プロフィールへ

続きを見る
 今回のポイントは「チームとして協力し合う」
 MHIソリューションテクノロジーズは、三菱重工グループの中で、総合研究所が開発する全製品の実験・シミュレーション・解析・調査を現場で担う総合エンジニアリング企業である。その製品は500以上!
 アストラムのような身近で重要な交通システムを走らせて、更に安全な運行を継続するために必要な機器やシステムを開発し、その品質を検証・実証して実際に運行する。自らの実験・解析成果が製品化や事業化に直結する。社会基盤を形成する業務へ達成感と社会的意義にエンジニアの情熱を感じる。
 研究開発の最前線で新技術や新製品に挑戦していく大変な仕事。しかし、各担当者によりテーマはそれぞれなので、そのままでは孤立してしまい、業務の状況もそこで出たアイデアやトラブル事例といったノウハウの共有が進みにくくなる。
 そこで、個人単位ではなくチームとして協力し合う文化を重視し、実務を通じて専門性と横断的な技術力を高める人材育成を進めているとのこと。若手からベテランまでが相互に学び合いながら、組織と人材の両面で成長を目指しているそうだ。このような課題は大企業・中小企業に関わらず大きいと言え、会社全体の取り組みとして大いに注目してもらいたい。
 椙下社長に伺ったところ、社内小集団活動ではディスカッションにより互いの業務の進捗状況を知ることで助け合いにつなげているとのこと。社員の過度な負担を予防し、特定のメンバーに仕事が集中する状況を防ぎ、「忙しすぎて助けを求められない」という不安を減らしていく取り組みを深めるそうだ。最近聞かれる、心理的安全性は助け合いを促すことで高まっていくと考えられる。
 エンジニアは技術力だけでなくコミュニケーション力も向上し、人間性を伸ばしたいと考えておられた。情熱企業で取材した企業にも社員のコミュニケーションを活性化させる取り組みをする企業にいくつか注目してきた。どの企業も社員は生き生きとしていた。人づくりは企業を成長させる原動力になると言える。
 これからは三菱重工業のマークを見たらMHIソリューションテクノロジーズが携わっていることを思い出しそうだ。世の中で初号機となる製品をこれからも生み出してほしい。
企業情報
会社名

MHIソリューションテクノロジーズ株式会社

業種専門・技術サービス業
事業内容環境・化学装置
(環境測定、反応解析、プロセス設計・製作、化学装置製作、計装設計)
機械・プラント設備
(機構設計、機械設備設計・製作、試運転・指導、性能計測・評価)
構造物・プラント診断
(構造材料の余寿命診断、構造物の現地計測、構造解析)
火力・原子力発電機器
(要素解析、実験機設計・製作、実験、計測、検査)
制御・システム
(運転・監視支援システム、シミュレータ、データ処理設備製作)
メカトロニクス製品
(検査装置の設計・製作、ロボットの設計・製作、自動化設備の設計)
コンサルティング
(産業技術動向、製品動向、市場環境動向)
労働者派遣事業
(研究・開発支援等)
代表者代表取締役社長 椙下 秀昭
従業員数642人(2025年4月1日 現在)
所在地兵庫県高砂市荒井町新浜2-1-1
お問い合わせ079-445-6786
ホームページMHIソリューションテクノロジーズ株式会社