プラスチック製品の製造に必要な全工程をワンストップで実現する「福山合成」。

今回のポイントは「ワンストップの強さ」とした。



福山合成の製品は部品。自動車も家電も部品を集めて組立て一つの商品となる。

特に外観にかかる部品に求められる品質のハードルは高い。

車のヘッドランプやテールランプ。ランプの反射面は曇りも歪みも傷もなくきれいな鏡面。

かつ取り付けや機能から大きく複雑な形の樹脂成型品である。

福山合成では蒸着により鏡面を形成する表面処理方法をとっている。この表面処理の精度は

樹脂部品の表面状態がそのまま出てしまうため、滑らかでゆがみなくツルツルに仕上げなくてはならない。このツルツル面は人が金型を磨いている。

そして、金型は多く生産すれば消耗するし、異常も出てくる。何かあったらすぐ対処できる金型工場が必要となる。もちろん表面処理の状態の調整もその場で確認できる方が良い。

部品もいくつかの部品を組み立てて、一つの機能部品となる。この組み合わせ状態を確認

するためにも組立工程も必要。

このようにして金型の設計・製作から、射出成形、塗装・蒸着などの表面加工、そして組立まで、プラスチック製品の製造に必要な全工程をもっている。



金型の設計は製造・組立を考え、金型製作は表面処理に至る配慮した加工作業を、成形は

均質な成形、表面処理はよりきれいで均一に、組み立てられ完成した製品は検査・梱包を経て出荷される。

森田社長は、次の工程が安心して引き継げるよう、各工程での品質維持を重視している。

前工程の仕上げが後工程になって影響する。さらには客先で組み立てた後にクレームが

出ることは許されない。一部品を作る会社だからこそ、お取引先の期待に応え、優れた品質、確実な納品、適正なコストを維持することで信頼を得られる。

その源泉となるところはどこにあるのか。

食堂には「気合一発！福山合成」という大きな看板が貼られていた。イベントで制作した

看板を今も掲示しているといわれていたが、わかりやすいスローガンである。

大変な時にこそ思い返せる変わらない一言の言葉が実は社員の奮起を呼んでいるといえる。



美しい完成品を構成する需要な部品、その製造は「ワンストップの強さ」にあり、会社の

技術力だけではなく、海外対応も含め、全社員の力の結集があってこそ実現できる。