2023年9月に広島駅南口、広島JPビルディング２階にオープンしたグランゲート広島。壁のない広い空間に６つの店舗が入り、それぞれのお店のメニューを同時に味わえるフードホールとなっています。広島の玄関口にある新スポットとして、注目を集める施設です。
そんなグランゲート広島を手掛けたのが、テラスホールディングス株式会社。広島市西区に本社を構える解体業者、株式会社桑原組を母体とした企業です。

飲食店と解体業、一見関係のなさそうなふたつの取り組みを結びつけているのが、テラスホールディングスが掲げる「ビジョンループ」。「再生、創造、暮らし、集う」という４種の事業が循環することで、会社が成長し、街づくりに貢献するという事業展開のコンセプトです。
「再生」とは、グループの母体である桑原組の解体業のこと。建築物を壊すだけでなく、解体後の利用の基礎を作ります。「創造」は、マンションのリノベーションや一戸建ての「無印良品の家」の施工・販売、分譲地の開発など、再生した場所や土地を新しく生まれ変わらせる事業。そして、「暮らし」と「集う」は、「再生」と「創造」で生み出した場所を生かすためのソフト面のこと。不動産の賃貸業や、さまざまなイベントなどを手がけています。

こうしたビジョンループの集大成が、グランゲート広島です。しかしそのスタートは逆境から始まりました。建築業界の人手不足などが原因で、施工を受ける業者がいなかったのです。そんな危機に手を挙げたのが、桑原組で普段住宅を手がけるチームでした。それまで手がけたことのない、大規模な飲食店でしたが、「１年半かけて練ったコンセプトが、施工の問題で頓挫するのは不本意」と、施工に挑戦したいと申し出たのです。「新しい事業を生み出すのは勇気と決断」テラスホールディングスの挑戦が始まりました。施工期間はわずか半年、図面を引くことから始め、昼夜交代しながらの作業を続けたのです。
こうして、2023年9月にグランゲートは完成。解体から始まって、コンセプトの立案、テナントの選択、内装工事から運営まで、一手に引き受けた全社を挙げての挑戦は、確かな自信となりました。まさに「再生・創造・暮らし・集う」というビジョンループを体現したプロジェクトとなったのです。

今回のポイントは「成長boogie-woogie」。



―ブギウギって楽しくなりますよね―

　スィングの反復フレーズのベースパターンに合わせ、フレーズを刻む、リズムの魅力とビートの習慣性でわかりやすくノリノリになれる音楽がブギウギ。

桑原社長にインタビューした結果、社名を新たにテラスホールディングスのイメージになった。

ベースとなる会社は、明確なビジョンを示し、しっかりとした教材を基に共通した社員教育して、わかりやすい評価の仕組みを整える。従来から構築してきた解体事業からワンストップ更地事業、不動産・住宅建築、飲食、福祉、イベント運営と、街づくりを中心として事業ドメインを、再生から創造、暮らし、集い、思い・想いとして、各事業を展開してきた。様々な事業を奏でる楽しい街づくりの実践は、若手社員が挑戦し成長していくことで実現するという。



―会社はベースパターンを刻んで、社員がフレーズを刻むってこと？―

　できるだけ社員のやりたい気持ちを優先し、あるいは様々な経験をすることで、それぞれの社員にあった仕事、やりがいを見つけて成果を出し一緒に成長していく。楽しい思いを奏でるために、ベースとして3か月ごとに進捗状況を確認し、事業の収益性を確認し適材適所となるよう社長が各事業をみわたせるようにしているとのこと。

　新しい価値は会社が方向性を示し、それに向かって社員が価値を生む。

第2創業となる社内でのスタートアップ企業創出ができるまでに成長していくことで、安定した事業体を目指しているとのこと。



―広島駅の一角にあるＪＰビルのグランゲートもその一環ですね―

　グランゲートの店舗はすべて社員の力で作り、現在も運営からイベント、ホール係までは若手社員が行っており、背客サービスを実践する場でもあるとのこと。ＤＪイベントなども定期的に実施し、新しい人が集うスポットとして注目されている。同じフロアーには広島大学の施設もあり、広島県とも連携して文化を発信する拠点として一緒に盛り上げているそうだ。



テラスホールディングスが「成長boogie-woogie」にのって、まさに生まれ変わる広島駅はじめ各地で街づくりから、新たなる価値を創造することを楽しみにしている。