2002年にエステサロンを開業し、エステサロンの激戦区と言われる広島市中心部で順調に売上を伸ばしてきたカルミア。しかし、自分たちが掲げる理念である「質で日本一になる」事と「業界の新しい文化を創る」事にはこのままでは届かないと考え、試行錯誤した結果、行き着いたのはエステと美容医療の融合でした。

「内面（内側からのケア）・外面（外側からのケア）・心面（人間力）の3つが揃っていないと“本当の美しさ”ではないという考えと同じように、企業も心・技・体の3つが揃っていないと良い企業ではない」と考え、心（スタッフの成長・組織力）・技（提供するサービス・肌結果）・体（空間・設備）に力を入れています。特に、人を磨く事がカルミアの強烈なブランドを創っているように感じます。

「今後、店舗をどんどん展開して拡大する気は一切ない」と池田社長は語ります。その理由は、店舗を増やす事は質を下げることに繋がりやすく、結果的に誰も喜ばないからだそうです。その為、今では関東や九州から来店・来院される顧客がいるようですが、もちろん遠方から通える方ばかりではありません。そこで「カルミアに通わなくてもキレイでいられるように」と、カルミアグループのドクター・エステティシャン・管理栄養士たちが化粧品を共同開発（約6年かけて4商品）し、全国の女性に向けて通信販売をしています。そういった方からの肌の相談にも的確に答えられるようにと、サポートデスクにはエステティシャンも常駐しています。

カルミアグループでは、選抜されたエステティシャンが看護師の資格を取得する制度を設けています。今後は看護師がエステティシャンの資格を取得する制度も導入する予定だとか。よりエステと美容医療の融合を深めていく予定です。「これまでの業界の常識には全く興味がない」「ベンチマークをしているのは他業種」と池田社長は言います。小さな事の積み重ねが、大きな価値のあるサービスに繋がっていくのでしょう。今後のカルミアグループの展開からも目が離せません。

ポイント

「判断基軸をわかりやすくする」



 日本一、一流の医療も踏まえた美容サービスを提供する。

ステキなオフィスにイケメンな池田社長にお会いしてきた。



 男性は社長とクリニックの医師のみ、後はすべて女性が働く企業。

エステサロンというと、美への追求とともに、いろいろなトラブルも心配になる。

いかにサービスの品質、社員への意識浸透を図っているのか。



ポイントは「判断基軸をわかりやすくする」こと。

 理想は「ディズニーランド」のような、人の想像を超えるサービス

日本一であるか、一流であるか、社員の行動はこのキーワードに照らして、

 行動を判断する。素直で誠実な対応を心掛ける。

 実に明快な考え方にしている。



 会社の理念や信条の唱和などよくある話かと思えば、社員が自発的に

改善活動を進めるなど、融和の取れた業務を推進している。

 社員はチームに分かれて感動したことや良かったこと、カイゼンすべき

 ところを発表し研鑽を高めている。



また売上至上主義はしない、目標を設定せず、社員の良いサービスを

 お客様にアンケート評価して頂き、それがインセンティブとなり、

 社員が評価される仕組みをとる。



 女性が働きやすくするため、業務時間のシフトや配置に関しても工夫がされ、

 社内環境の整備の充実を図る。



 池田社長はもともとエンジニアで、畑違いのエステ業界は、

たまたま出会った事業だった。

 一流のサービスを提供することで着実に伸ばせると考えて起業に至ったそうである。

 起業からの成功は、従来のやり方から、わかりやすい判断基軸をおき、

 社員とともに同じ意識で着き進めることが大切であることがうかがえた。