広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2025.08.09 O.A.

未来を見据えたひろしまの食卓戦略

グリーンコープ生活協同組合ひろしま
商品の特徴は母親目線。

もし、あなたの“買い物”が、未来を守る力になるとしたら——どうしますか?
こう問いを投げかけたのは、グリーンコープ生活協同組合ひろしま代表理事の前津宗八州恵(まえずむねやすえ)さんだ。ひとりのお子さんをもつ母親でもある。前津宗さんが代表を務めるグリーンコープ生活協同組合ひろしまは、組合員数2万人を誇る組織。出資金を支払い組合員になれば、購入した商品を自宅まで届けてくれるシステム。
パソコンやスマートフォンでも注文できる。利用者は、子育て世代が中心だ。商品の特徴は母親目線。安心してこどもに食べさせられるものばかりだ。徹底管理された安全基準をクリアしたものだけが商品リストに並ぶ。

こどもたちのために妥協しないこと

当然、一般的なスーパーの商品よりも割高だ。商品の採用基準は、一般の流通よりもはるかに厳しく、時に「やりすぎ」と言われることさえある。しかし、こどもたちのために妥協しないこと。これこそが原点なのだ。グリーンコープ生活協同組合ひろしまは1993年に設立。福岡県を本拠地とした生活協同組合連合会の一翼を担ってきた。家族の健康と未来を守りたいという理念のもと、最初に取り組んだのは、せっけんづくりだった。自然にかえるせっけんは、環境を守ることができる。いまを変えることで未来のこどもたちが安心して過ごせる環境にしたい。そこで誕生したのが、洗濯用せっけん。合成洗剤が当たり前だった時代、“水と自然を守るために、せっけんを使おう” という想いから始まったグリーンコープ生活協同組合ひろしまの第一歩。
「地球に負担をかけない暮らしを、親として選ぶこと」。
その志が、40年近くたった今も、しっかりと受け継がれている。

本気で、2027年までにCO₂排出ゼロ、を目指している

2023年にはEV、電気自動車の導入も開始した。
配送車を、EVに切り替えたのだ。さらに事務所倉庫の屋根に太陽光パネルを設置。倉庫内で使用するエネルギーやEV車に充電する電力を自然の力でつくり、地域のエネルギー消費を少しでも“自分たちで”まかなっていく。でもこれは、ただ、環境に配慮した設備投資ではない。グリーンコープ生活協同組合ひろしまは、本気で、2027年までにCO₂排出ゼロ、を目指しているのだ。しかし…CO₂排出量ゼロは組織全体を根本から変えなければ達成できない目標。当然、かかる費用は莫大。

購入した金額の、1%を“未来への積立”として

そこで、グリーンコープ生活協同組合ひろしまは一つの提案をすることにした。あなたが購入した金額の、1%を“未来への積立”として、ご協力していただけませんか?
負担は、ほんのわずかでも、それが集まれば、未来を変える力になる。しかし…理事会でも、さまざまな議論があったという。そこで、2025年6月。組合員全員にアンケートを配布。毎月の購入代金の1%を別途財源として拠出することに同意するかしないか。アンケートの締め切り期日を2025年6月30日と定めた。アンケート締め切りの当日。
回収されたアンケートはおよそ1万通。全組合員の半数にあたる数だ。スタッフの手で丁寧に集計されていく。もし、あなたの“買い物”が、未来を守る力になるとしたら——どうしますか?その問いに対する結果は…

買い物を通して、未来に参加するという選択

これは、ただの支援ではない。買い物を通して、未来に参加するという選択。1%が、未来を変える力になる。
子どもたちが大人になったとき、青い空や澄んだ川を“当たり前”だと思ってもらえるように。グリーンコープ生活協同組合ひろしまの挑戦は続く…。

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今回のポイント「共感共創から得る未来」
日常で使用する商品を組合員が選び、徹底した安全基準をクリアしたものを共同購入し、配送する――これが生活協同組合グリーンコープの基本的な仕組みです。グリーンコープのすごいところは、生活協同組合活動を通じて、より良い未来を共に創っていこうという姿勢にあります。
会員と職員が「共感」と「共創」を重ねることで、安全性や環境への配慮を徹底した商品づくりが実現され、カーボンニュートラルや脱炭素社会への貢献も一歩一歩進められています。
スーパーや一般メーカーとは異なり、グリーンコープでは扱う商品が会員の要望によってカタログに掲載されます。安全基準も会員自身が決定し、その要望を職員が実行。企業との交渉を経て商品導入に至るという、まさに「共創」のプロセスです。牛乳は自社工場で生産されるなど、生活用品を軸に会員が意思決定・運営を行う自治の場とも言えます。
たとえば、しゃぼんせっけんや瓶による牛乳配送、電気自動車の導入、太陽光発電の活用、2027年までにCO₂排出ゼロを目指す取り組み、賛同する会員による「1%未来積立」など、共感と共創によって実現された施策や事業は多岐にわたります。
外観は市販品と変わらなくとも、グリーンコープ仕様で厳しく管理されており、原料・加工・包装に至るまで厳選されているとのことです。
インタビューした金築専務理事によれば、野菜やお米などの有機栽培において、手入れが大変な時期には職員が生産地に出向き、生産者の手伝いをすることもあるそうです。大変ではありますが、職員と生産者が共に創っていく場となり、会員向けにも一緒に作業をするイベントが開催されています。
グリーンコープは連合組織として約42万人の会員を母体に、購入商品を選定し、会員の未来を見据えた配送を行っています。週1回の配送は、計画的な購入を促し、無駄な買い物を減らすことにもつながります。
生産者やメーカーも、厳しい基準を満たしながら、確実なマーケティングに基づいた商品開発・販売を展開できます。理念を共有する会員は、出資した会費によって信頼できる商品を購入することができるのです。
私自身も、改めて会員組織である協同組合を取材することで、その機能と意義を再確認しました。
「共感共創から得る未来」へ――グリーンコープひろしまの活動に、今後も注目していきたいと思います。
企業情報
会社名

グリーンコープ生活協同組合ひろしま

業種卸売業,小売業、サービス業(他に分類されないもの)
事業内容【安心・安全な食材の宅配と環境活動】 広島市や福山市など県内各地に、こだわりの食材や日用品を週1回のペースで配達。添加物を極力使わない食品や、環境に配慮した商品が中心。組合員が直接商品を購入できる店舗も運営。カーボンニュートラルの推進や、リユースびんの利用、せっけん生活の提案など、環境負荷の少ない暮らしを提案。
代表者理事長 前津宗 八州恵
従業員数185名
年商42.8億円(24年度実績)
所在地〒731-5115広島県広島市佐伯区八幡東4丁目41-12
お問い合わせ℡082-927-1503 Fax082-927-1506
ホームページグリーンコープ生活協同組合ひろしま