広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2026.02.14 O.A.

適材適所で人材は輝く

株式会社RTホールディングス
醤油造りが原点

 「醤油」と「自動車学校」。一見、関係がなさそうなキーワード。実はこの2つ、同じ企業が手掛けているのだ。
 創業140年近い老舗醸造会社が、なぜ自動車学校を!? そこには時代の波を読み、絶えず進化の歩みを止めなかった、ある企業の軌跡があった。
 その企業の名はRTホールディングス。今、注目の企業である。創業明治20年、福山市で140年に迫る歴史と伝統の寺岡有機醸造が、今回紹介するRTホールディングスの原点だ。

自動車学校経営への転機

 暮らしに欠かせない調味料や野菜の生産、販売を生業としながら、さらに今では自動車学校経営を中心に全国へ展開している。
 そもそもなぜ自動車学校という全く異なるフィールドへ飛び込んだのか。代表の寺岡晋作氏に話を聞いてみた。「明治の終わり頃から地場産業の塩田事業に乗り出していて、昭和30年頃から輸入塩がどんどん多くなって、国の指導で日本の塩田事業はやめた方がいいとなった。やめるならば、転業資金を国が出すという。その際、私の父親が教習所をやると。今本当に社会に必要とされている事業だと感じたようだ。この時、塩田の土地を利用して、今の教習所(福山市松永町)がスタートした」。

自動車学校からM&Aで規模を拡大

 自動車学校を中心にクレーン・フォークリフトなどの技能講習機関経営など、広島県を拠点に、着実に学校数を増やしていく。その中で次々と異業種のM&Aからグループ会社化を果たす。菓子店も現在、RTホールディングスの事業の一つである。
 一見バラバラに見える事業展開。しかし、そこには明確な戦略があった。副社長の寺岡宏晃氏は語る。「食品カンパニーにおいては、今まで醤油、有機野菜という2軸だった。ここにお菓子とさらに蓮根が加わると、軸が4つに増えて、我々も持てる武器が増える。営業も非常に前向きにいろんなお客さまに提案ができる。食品カンパニーにおいては今後、これらの商材を海外マーケットに展開していきたい」。

適材適所で人材は輝く

 様々な会社同士が連結することで、グループ全体の強化を図ることができる。また、広い分野で多くの職場環境が整っていることは働く人たちにとってもメリットであると言える。
 実際に現場で働く人たちに話を聞いてみた。農場で働く永野さんは、異動前、自動車学校の指導員だったという。「今まで体験できなかったことを日頃から体験させてもらっている。自然相手なので非常に難しい部分はあるが、その分やりがいを感じることもできるので、コングロマリット経営におけるシナジー効果は非常に大きいと感じている。この春から栗の栽培を予定しているが、グループ会社の京楽堂が加工品としてスイーツを販売することも可能になるので、同時に2つの会社で同じ年に違った形で売り上げを上げられる面でも、すごくいいことだと感じている」
 また、M&Aでグループ化した愛知県の江南自動車学校に異動した宮本さんは、次のように語ってくれた。「私は最初、営業課として入社して、主にロイヤルドライビングスクールに入校いただく間、お客さんの募集や営業活動をメインにしていた。RTホールディングスと江南自動車学校がグループ会社化して、私自身も環境ががらりと変わって、今後会社を伸ばしていこうとか、売り上げを上げていこう、お客さんを増やしていこうという形で、江南自動車学校の方たちと一緒になって、主体性を持って動けている。会社の方から機会を与えていただけることで、自分にとっても新しい刺激となり、経験していくことで大きく成長できるところはすごく実感している」。

これからのRTホールディングスが目指すものは…

 近年では、マリン事業の大手ササキコーポレーションとのM&Aも話題になった。社長の考えるM&Aとは何か。「まず私たちと関連がある、そういう事業を基本的には模索している。全く経験のない異業種は、今のところ考えてはいない。それが社会のためにさらに有益になり、うまくかみ合った会社とやっていくという考え方だ。時代がどんどん変化している。それに乗っていく、継承と革新を“寺岡イズム”としている」
 醤油醸造から始まったものづくりの魂。令和の今、形を変え、あらゆる業態で魂を込めるホールディングスへと転生した。しかし、根底に流れるのは、人と心ありきのスピリット。RTホールディングスのイズムは、これからも変わらない。

プロフィールへ

続きを見る
 今回のポイントは「変わる勇気を持ち続ける」。
 自動車教習所を中核に食品事業まで展開する“製造とサービスを併せ持つユニークなグループ企業”だ。創業は地域の醤油醸造会社。そこから時代の変化に合わせて、大胆な事業転換を重ねてきたそうだ。
 オイルショックの時代には原料の大豆不足をきっかけに、自社での大豆生産へと舵を切り、広大な農地を取得した有機栽培の取り組みにつながっている。今はベビーリーフの生産に切り替えて継続している。もちろん醤油の供給も続いている。
 さらに、かつての製塩事業は、塩田を自動車教習所へ転換し、現在に至る。将来の自動車需要の拡大を見越しての先見の識ともいえる。
 製造業からサービス業へ―、この大胆な発想こそ、RTホールディングスの経営の真骨頂だ。
 同社は1つの事業に依存せず、異なる産業分野に挑戦することでリスクを分散し、収益を安定させている。
 農業、食品、教習という一見バラバラな分野だが、“人を育てる”“地域を支える”という軸は一貫している。この多角化経営が、激動の時代を乗り越え、売上100億円に迫る企業成長を裏付けている。
 特徴的なのが“ほめちぎる教習”。できたことをしっかり認め、伸ばす指導法で、受講者の満足度は非常に高い。その効果は教習生だけでなく、社内の雰囲気まで明るくなったそうだ。“安全教育”と“人材育成”を、同時に実現している取り組みになっている。褒めることは技能であり、これも研修を定期的に行い、教員のスキルアップを図っているとのこと。
 時代の変化に合わせて、強みと弱みを補い合いながら、グループ全体で安定した経営基盤を築いていく。RTホールディングスでは教習と食品を軸として業務や商品を多様化させていた。さらに地域を広げていく。
 他の情熱企業も多く紹介してきたが、多角化、多様化による経営はこれからの地方企業の成長に欠かせない。変化に強い企業体質を築いてきたRTホールディングス。これからの挑戦にも、ますます期待したい。
企業情報
会社名

株式会社RTホールディングス

業種総合ライセンス事業/マリーナ運営/モーターサイクル事業/福祉事業/食品事業
事業内容自動車学校、労働安全衛生教習(クレーン学校)、小型船舶免許教習、ドローン教習、有機醤油・調味料、野菜、お菓子の製造・栽培・加工・販売
代表者取締役社長 寺岡晋作
従業員数833名(2025年9月末)
所在地広島県福山市松永町4丁目15-83
お問い合わせ084-933-1268
ホームページhttps://www.royal-corp.com/