産業数理研究所Calcは2021年3月創業。
代表の谷口さんをはじめ、数理学博士や工学博士などがいる博士たちの会社なのです。
彼らは世の中の課題や問題点を解決するために仮説を立て、最適な数式を見つけ出します。
そして導き出された数式により、AI（人工知能）などのプログラム開発の礎を築きます。

２０２４年問題。
これは、働き方改革関連法施行により、とくに物流業界による長時間労働の慢性化を改善するため、自動車運転業務の年間時間外の労働時間に上限が設けられること。
しかし、現実には、効率良く配送する課題がありました。
谷口さんによると、配送の最短ルートを見つける際、考えられる制約条件を割り出すと、配送ルートやスケジュールなど、最適化できるので効率的な物流プロセスが実現できるというのです。
谷口さんたち数学者は、その対象物の本質を見極めることで当てはまる数式を割り出し、解決の糸口を導きます。
これがアルゴリズムというもの。

産業数理研究所Calc〈カルク）の近くにロボットパークひろしまがあります。
ここには、最新のロボットが展示されています。
実はロボットの進化の陰にも数式はとても大切と谷口さんは言います。
従来のプログラムを設定したロボットの動きは、スタートとゴールの間に経由地の存在がありました。
この場合、生産効率が悪く、エネルギーの無駄などもあります。
そこで谷口さんは、マニピュレータの運動方程式を使って最短コースを導き出しました。
数式により、制御となるプログラムを設定することで効率的な動きをします。

産業数理研究所カルクには心強いパートナーがいます。
長年、大手機械メーカーで異物発見などのシステムを研究し、現在は大学で工学を教えているカルク顧問の前田さんです。
実務経験豊富な前田さんと共にカルクの若手数学者たちの活躍が期待されます。
数学者でもある社長の谷口さんは、若手数学者を育て、もっと数式から導かれる活躍の場を広げていきたいと考えます
谷口さんは、数学に限らず周辺の技術をしっかりと確立したものにして会社自体を大きくしたいと願っています。
そして数学者の大学教員以外の居場所として社会に貢献できる仕事をどんどん生んでいきたいと考えています。

今回のポイントは、“数学で早くなる” 

いっぱい記号が並ぶと複雑に見える。実は単位時間当たりの「特定の動きや現象」を数式に置き換えて、観測したデータをコンピューターでその数式を計算して答えを表示して、実際の複雑な動きをわかりやすく見える化させる。その計算式が数理モデルと言える。

身近には雨雲レーダー。スマホの天気予報で雨雲の動きをシミュレーションでき、年々その精度は向上している。気象予測はとても複雑で風、気温、気圧を始め様々なデータから降雨量を導き出しそれを時間の流れで変化させて表示させることになる。

実際の現象を数理モデルにする、数式に置き換え、コンピューター上で再現させることで、入力数値を変えれば研究開発の試行錯誤が実験を行わなくても予測でき、そこで検討した最適状態を把握すれば少ない工数で開発でき、時間も資源も節約できる。

複雑な計算でも、高性能なコンピューターの計算能力を使えば高速に処理できる。

より実際に近い現象をシミュレーションが得られやすくなってきている。その一端をになうのが産業数理研究所Calcのコンサルティングといえる。

谷口社長にCalcに相談すると何が変わるのか聞いたところ、シミュレーションや計算結果の見え方、見せ方、計算速度が上がる数理モデルの開発や数学による改善手法の検討など、現象を数理モデルにすることを支援したり、実際に一緒に研究することで課題を解決しているそうだ。

数理モデルはさまざまな分野で応用ができる。

電子回路、機械、社会経済、免疫、宇宙天文など、身の回りにあるものから宇宙に至る事象まで対象になる。メンテナンスや物流の計画など、人間のカンコツで判断していた微妙な現象も分析技術、計測方法を考慮したシステム化により、環境負荷の少なく、かつ、働き方改革にもつながるようなシミュレーションシステムの実現に貢献するといえる。



とはいえ、数理モデルを実際の課題と結びつけて考えることは容易ではない。

その時はぜひCalcに相談してみてはどうか。

Calcが社会回台を次々と解決していくことに期待する。